レポート   半自動NCラジアルソーを作ってみました
その1
注意:このページを読んで実行されて 起こった いかなる損害に関しても きたろう工房では責任を持ちません。
 このページは 同業者の方の読み物として 作りました、 一般のお客様には 用語等分かりにくい言葉や表現が多くあると思います ご了承ください。
 近年の 建具製作において 機械化の波 しいては自動化の波はさけては通れない状況になっています、「精度のよいものを 速く作る」建築業界の端くれの建具屋はその波に飲み込まれてしまっているようです。
昔は「道具がなければ ただの人」 だったのが 現在では「電気がなければ ただの人」となってしまったのかもしれません・・・・・・・・。それにしても 自動化となると 機械が 高い!いったい何枚障子を作ったら 元が取れるのだろう?NCラジアルソーの安いやつで きたろうの計算ですが 工賃だけで考えると安い障子だと約900枚くらいかなぁ?飲まず食わずで1日6枚作れば150日で 約6ヶ月(なーんだ たいした事ないぢゃん! と思う人はお金持ちです。・゚゚・(>_<)・゚゚・。)
 じゃあなんとかならないでしょうか?、ささやかな抵抗してみましょう・・・・能書きはこれくらいで! 
このページでは 11年前に改造したNC機 「きたろう1号機」をさらに性能アップさせた 「2号機」の製作工程を 紹介しています。デジカメ写真をふんだんに使用しています、すこし重いと思います。
性 能
(いいとこだけ(笑))

・テーブルをコンピューターで数値移動させる
(カッターヘッドは手動)
・最小設定単位は0.01mm
・定寸移動、プログラム移動
・従来の手動でも操作可能
・どこでも好きなところを原点にできる。
・セミクローズドループ制御で高信頼

予 算
今回は障子60枚ってところでなんとか
準 備 (理論とか、荷重計算とかあるんですが 省略します)
モーター:ステッピングモーター(初心者にも制御しやすいので)と動かす電気機器(ドライバーといいます)
送りねじ:ボールねじ(ガタがなく抵抗が小さい、減りにくい)
コンピューター:(コントローラーといいます)数字を打ち込んで、あるいは ティーチングで入力制御します。
  以上をメーカーの分厚いカタログから選んで 購入します。
作 業1 電気部品の配線:何といってもコンピューターは電気で動くのでこれは避けては通れません、電源・コントローラー・ドライバーは別々のメーカーなので信号の呼び方やコネクタの違い等があります働きを考えて 説明書と首っ引きで 配線します
メーカーの人が見たら嘆くかも・・
素人にさわってほしくない!!って。
かなづち、木工ボンドは使いません

ここには 写っていませんが 「半田ごて」は必需です、半田も結構使います。
 線の色はいちいち覚えてられないので タグを忘れずにつけます。

一応 テスターはあったほうがいいです
写真のものは ずいぶん前に 知り合いの電気屋さんからもらったものです まだまだ素人が使うのには 充分です。
作 業2 手元スイッチを作ります。部品は通販やアマチュア無線のパーツ屋さんで手に入れます。

カッターヘッドのハンドルに取り付けて指先1本でテーブル操作をする スイッチです
左下のスイッチは“定寸送り”
青いディップスイッチで途中でピッチを変えることもできます。
真ん中の赤は“原点復帰”(オムロン製ですが赤色は現在作ってないみたいです)
右下のスイッチは“プログラム送り”
箱はアルミケースを改造してつくります。

黒いスイッチは 下のボタンの機能をさらに切り替えます(省略)
作 業3 売ってない部品は作らないといけません、木ではだめなので鉄で作ります。

近所の鉄工所で部品を作りました。力作の「ナットブラケット」はフライス盤でエンドミル加工したのですが 手が油でべとべとで 写真を撮り忘れました 残念です。

学生のとき こちらで アルバイトしていました おかげで いろいろ教わって 簡単な加工ならできるようになりました。

とゆうわけで 鉄の部品も自作です。
   

(実は ナットブラケットもメーカーカタログにあるのですが ちょっとお高くて 予算オーバーでした。)


1.「軸を支える台」 Cチャンで作ります。
このCチャンは規格品なのですが 近くの問屋にもなくて メーカー発注で 高くつきました。

2.「ナットブラケット」ボールナットとテーブルをつなぎます。
3.「この字ステー」(あとで使用します)
4.50角アングルステー2本(〃)

以上 半日ちょっとかかりました。

高級感を出すために ペンキで塗装します、さらなる さび止め効果も期待します。(この後面倒なので ラッカースプレーに変えてしまいました_(^^ゞ)
作 業3 それぞれの部品を組み立てます。専門用語で「アクチュエータ」というものをこしらえます。

「軸受け」と「ボールねじ」を取り付けます。


ナットブラケットも取り付けました。
この板が テーブルを押したり引いたりして動きます、
ぐらぐらしてたら 話にならないので 頑丈に取り付けました。

これが 心臓部分のステッピングモーターです
軸の偏芯や傾きを吸収するために 「ユニーバーサルカップリング」でつなぎます。

こんな小さなので大丈夫? (ーー;)って感じですが すごい力です。

センサーを取り付けます。
原点検出、限界点検出のために微調整が必要で
取り付け穴だらけに・・・
まあいいか ^^;
こんな小さな 部品も (ロックナット用の部品です)
うちの仕事場で 落っことしたら二度とお目にかかれないでしょう。

コントローラー端末、手元スイッチを使って 機能どおりに動くかチェックです
動かなかった場合 また 説明書とにらっめっこの時間が始まりますあせらず ゆっくり 確実に!

ここまできたら アクチュエーターは完成です。
あとは いままでのラジアルソーに取り付ければ 
半自動NCラジアルソーの出来上がりです
続く いよいよ次は 本体のラジアルソーに取り付けです。