板張り襖の穴修理
旅館の大広間(宴会場)には 往々にして特注の襖紙が張りめぐらしてあります、
しかも 続き模様の場合は そこだけ別の紙を張ってごまかすことはできません
しかし 宴会場のことですから 様々なアクシデントで 穴、傷、よごれが発生します
 今回の修理は 棒か何かで突き破った あるいは 襖が倒れた際に 一升瓶か
何かが置いてあって突き刺さった そんな穴の修理の機会があったので 紹介します

ぽっかりと空いた穴ですが 幸いなことに 穴の部分の紙(本紙)が くっついて残っていました。
丁寧に 剥ぎ取り 保存しておきます。

裏側はベージュのプリント合板で こちら側は
一面張り替えなければならないので 持ち帰って
修理となります。






穴には 新聞紙が詰め込んでありました。

写真@は裏側の建材(ベージュ)をはがしたところです、普通は片面だけ張り替えると 必ずそ反ります でもこの場合 襖のほうは残さないといけないのであえて 片面張替えの方法をとりました。
 


 2箇所空いています 写真A


平らな台の上で 本紙が出てくるまで丁寧に ベニヤの穴を広げます 本紙を傷つけないように気をつけます。 写真B

和紙を1枚貼り付けます 本紙の穴より大きめに切り
境目が浮き出ないように ふちのほうを こそぎ落とします (表具店さんの「食い裂き」のように)
糊をつけ貼ります 写真C


さらに ベニヤ板を穴にあわせて切り 置きます(ボンドはつけません)
その板がずれないように 大き目の板をその上から貼り付けます (今度はボンドをつけます)
写真E

 

乾いたら裏返します こんな感じです。

穴がふさがって 平らになり 糊付けしやすいように 和紙が下地に見えています。

保存しておいた 穴の部分の本紙を 模様を合わせて 慎重に貼り付けします。
どこが破損していたのか わかりますか?

複雑な模様のほうが分かりにくいと思います。


直した本人は その部分を見ないように避けてしまうので 余計ひいき目にみてしまいます((・・;))
 
この後 裏面の ベージュの建材を貼り付けるわけですが 必ず反りますから 半乾きの状態で 修正をかけてまっすぐにします  このタイミングが 難しいです。
終わり  ・・・・・・・・参考になりましたか?